第10回「よしだ学校レポート」(ブログ)

値決めと値上げ、そして経営とは?

 

値決め
 “中小企業の7割は値決めを間違えている。これが「繁盛貧乏」から抜け出せない最大の理由。”と前回書きました。「値決めこそ経営」とおっしゃられたのは京セラ名誉会長の稲盛和夫氏です。では何が適正価格か?高すぎて売れないこともあります。逆に安すぎて繁盛貧乏に陥るケースもあります。
ビジネスは、客数の最大化を狙うのではなく、客数と客単価の積の最大化を目指すものです。従って常に行列のできる繁盛店は値決めを間違えています。安すぎます。常に満杯の時間貸し駐車場も値決めを間違えています。待たないと入れない=繁盛している、は繁盛貧乏の可能性大です。正しい値決めをすることにより、お客様を待たすことなく正しい利益を確保することは可能です。
中小企業経営者の多くが、「安くしなければならない、安くないと売れない」との大した根拠のない思い込みを続けています。価格に縛られすぎています。高すぎるために上手くいっていないない会社はほんの一部です。
値決めは売価の決定です。売価から原価を引いたものが粗利益(付加価値)です。従って経営の基本であり根本です。この値決めに関して、皆様はどれぐらいの時間を割かれているのでしょうか?考え抜いているのでしょうか?

値上げをする!
「論理を無視してとにかく値上げをする」という暴論を推奨します。ランチメニューは「価格、スピード、量」が決め手と、これまでにも何度も話してきました。しかし、あまりにも利益を無視したやり方に走りすぎていないでしょうか?値上げで客数がダウンしても、それ以上に客単価を獲得できる方法(付加価値アップ)を探ってみてはいかがでしょうか?
①値上げをしないから、いつまでたっても儲からない。=繁盛貧乏
②値上げをして儲けに走ったから、ダメになった。=閑散貧乏
③値上げをして品質やサービスが良くなった。=繁盛高収益
どのパターンを選ぶかは一目瞭然ではないでしょうか。①と②は付加価値が伴っていません。それでは何をやっても貧乏のままです。値上げをきっかけに付加価値アップを狙う。それが繁盛高収益化の道です。
特に新商品や新サービスは、より高単価・より高付加価値を狙ってください。徹底的に良いものを開発して、それに応じた値決めを行う、通常のマーケット法則を無視した、こんな考え方でやってみても良いのではないでしょうか。
800円の商品を1000円に値上げする。トータルの粗利益が減少するほど、客数ダウンするでしょうか?また、1200円や1500円の新商品を投入してはどうでしょうか?新しいマーケットを獲得できる可能性もあります。価格へのチャレンジは高付加価値へのチャレンジです。「論理を無視してとにかく値上げをする」という暴論も、新しい未来へ向けてのチャレンジと考えることは出来るはずです。

積極的な経営とは?
過去における考え方の差が、現時点の企業の優劣に現れています。価格の上昇に消極的な判断を続けてきた会社は、付加価値アップへの挑戦を怠り、結果、値段を上げると売れない実態を余儀なくされています。一方、価格の上昇に積極的に取り組んできた会社は、それに見合う付加価値アップへの挑戦を繰り返してきました。結果、値段を上げても売上を落とさない企業力を構築出来ています。
価格を上げてうまくいくのか?単にそれだけで終わるのであれば、暴論と言われても仕方ないでしょう。付加価値を創り出す力がない。付加価値は目に見えないもので不安。付加価値を認めてくれるお客様が周辺にはいない。全て言い訳です。チャレンジしてください。それが経営です。それを全社員で取り組める体制を作るのが経営です。売上アップは、その中のほんの一部です。それが出来て始めて「積極的な経営」と呼べるのではないでしょうか。

経営とは、一番を求めつづけるゴールのない旅路
そして価格を通して利益を確保するためには、一番を持つことです。何らかの一番を持って、他社と差別化を図れる企業のみが、価格を通して隆々と生き残れます。大きな一番である必要はありません。些細な一番でも、中小零細企業なら十分です。この一番を求めつづけること・作ること・磨き続けること…、このプロセスそのものが経営です。

物価と消費税、皆様は今後どのように予測されていますでしょうか?10年先はわからないと答える方が多いかも知れません。しかし東京オリンピックがある3年後までには、ほとんどの方が上昇すると予測されるでしょう。これは目の前の大きなチャンスです。積極的な経営を行い、何らかの一番を求め続けて下さい。
これまで人とモノについて書いてきました。次回からはもう一つの大きな要素、「金」について書いていきます。

 

2017年5月15日(月)